こんにちは、カイトです。
今回は2021年に読んでよかった小説を紹介していきたいと思います。
2021年は136冊もの本を読みました。
おそらくこれは過去最高の冊数だと思います。
コロナであまり大学生らしいことができず振り返っても充実できたかと言えば疑問符が付く2021年でしたが、この冊数は自分の中で自信にできる数少ない部分だと感じます。
2022年はもっと様々なことに挑戦できる一年にしたいですが、本も100冊を目標にどんどん読んでいきたいです。
細かい読了リストは本ブログの最後につけたので気になる方は是非チェックしてみてください。
では早速紹介していきます。
月の満ち欠け
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる――この七歳の娘が、いまは亡き我が子? いまは亡き妻? いまは亡き恋人? そうでないなら、はたしてこの子は何者なのか? 三人の男と一人の女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく、この数奇なる愛の軌跡。プロフェッショナルの仕事であると選考委員たちを唸らせた第一五七回直木賞受賞作、待望の文庫化。
「book」データベースより引用
この本、とにかく切なくそしてすごくストレートな恋愛小説でした。
恋愛小説と聞くと、どうしても甘酸っぱい印象でほとんど読んできませんでした。
実際僕自身だいぶさっぱりした人間ですし、「好きだ」とか「愛してる」とかくさいセリフを安っぽく連呼している小説は読むに堪えないはずです。
ただこの小説は違いました。
まずいえるのはストーリーの緻密さだと思います。
恋愛小説あるあるかもしれませんが、この小説は様々な人物が絡み合っています。
けれどもよくある恋愛小説のようにドロドロ関係で誰が誰だかわからないとかそういうわけではありません。
むしろこの複雑な人間関係こそがこの小説で起こる恋愛をより高尚なものにしている気がします。
紹介にもあるように、我が子なのか、亡き妻なのか、恋人なのか…時代も場所も違う、3人それぞれの目を通して語られる“るり”との思い出が重なりあいがこの物語の醍醐味だと思っています。
気になった方は是非読んでみてください!
麦本三歩の好きなもの 第一集
麦本三歩には好きなものがたくさんある。歩くこと。寝坊すること。本を読むこと。食べること。仕事先の図書館では先輩に怒られがちだけど、大好きなチーズ蒸しパンを食べれば気分は上々。休みの日は、お気に入りの音楽を聴きながら一人時間を満喫する。何も起こらない毎日だけどなんだか幸せ。そんな三歩の日常を描いた心温まる連作短編集。
文庫本の後ろ書きより
はい、みんな大好き三歩です!笑
みなさんの周りには、すごくドジで天然でミスもいっぱいするけどなんか憎めない…
そんな友達や後輩、いませんか??
僕の周りには残念ながらいませんが、そういう人が周りに及ぼす影響って計り知れないと思います。
自然と周りを笑顔にし、いるだけで場が和み明るくなる。
三歩は文字通りそんな女性。そんな三歩の日常をつづった一冊。
そう、平凡ないつも通りな日常に三歩が幸せを見つけ出すような小説なので、好みは分かれるかもしれません。
日頃から起承転結の激しいミステリーとかを読んでいる人からしたら平凡なストーリーで飽きてしまうかもしれません。
また、三歩の腑抜けた喋り方や、擬音語が読むに堪えない人もいるかもしれません。
でも僕はそういうキャラクターあっての三歩だと思います。
だからとにかくほっこりしたい!っていう人にはおススメの一冊です。
そしてこの本は短編集になっているので気になってたタイトルから少しづつ読むのありだと思います。
最後まで読めばみなさんもきっと三歩の虜になること間違いなしの一冊です。
ドリアングレイの肖像
美貌の青年ドリアンと彼に魅了される画家バジル。そしてドリアンを自分の色に染めようとする快楽主義者のヘンリー卿。卿に感化され、快楽に耽り堕落していくドリアンは、その肖像画だけが醜く変貌し、本人は美貌と若さを失うことはなかったが…。
「book」データベースより引用
この作品はシンプルに内容が良かったです。
若く美しい青年ドリアンは年を取るにつれて自分が衰え醜くなっていくことを怖れている。
そんなドリアンの願いあってか、ドリアンは自身の肖像画が醜く変貌するのを引き換えに、永遠の美貌を手に入れる。
この設定自体がもう面白いですが、肖像画が老いていく過程でのドリアンの心情の変化がこの物語の一番の醍醐味です。
そしておそらく昔以上に外見に関して敏感になっている現代人にとっても興味深い内容になっています。
もちろんこの小説では肖像画が醜くなるということで日常ではまずありえない設定ですが、これを読んでいると美貌を手に入れた人が必ずしも幸せになれるわけではないと思いました。
もし自分の外見に関して思うことがあったり、永遠の美貌を手に入れたいななんて思ってる人がいたら是非読んでもらいたい一冊です!
僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー
人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧……。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、でも、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。優等生のぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。
Amazonの紹介より引用
これ、2年くらい前に話題になりましたよね。
この本は昨年の6月についに文庫化されたとのことなので僕もさっそく読んでみました。
タイトルからわかるようにこの本は日本人の母とイギリス人の父を持つミックスの少年の日常を母親目線で書いた物語です。
日本では国籍の違う両親から生まれた子をよくハーフと呼びますがここではあえてミックスと呼ばせていただきました。
というのも、この本で主人公の少年がハーフという呼び名に疑問を感じていました。
”別に半分の血しか流れているわけではないし、むしろミックスだろう”と。
この小説の一番読みごたえがある理由は、やはり日英のミックスの少年が英国のちょっと荒れてる公立中学に通っているというバックグランドの存在だと思います。
そこは日本以上に多様な人達で構成され、人種問題にもシビア。
そして時期は思春期の中学生たち。
そんなリアルないわばルポルタージュのような小説です。
でも読んでて思ったのは、こういう環境で育ち乗り越えてきた子っていうのは芯がしっかりしていて強いなということです。
この本でも主人公は様々葛藤し、母親と意見をぶつけ合いながら成長していくさまが見受けられます。
この本はテーマこそハードですが、小説形式で比較的読みやすいので誰にでもオススメできる一冊です。
砂漠
入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。
「book」データベースより引用
大学生に読んでほしい本ランキングの第一位ですね、これは。
もちろん今の時代、大学生としては色々な生き方があると思います。
部活やサークル、バイトに没頭したり、ひたすら趣味を満喫する。
はたまた勉強を頑張って将来につなげる橋掛かりを作ったり…。
そんな忙しい大学生ですが、この小説では北村、西嶋、南、東堂そして鳥井の5人大学生を中心に取り巻く青春ストーリーになっています。
こんな大学生活を僕も送りたかったって思わせる一冊です。
でもやっぱりこの小説を語るうえで欠かせないのは西嶋のキャラクターだと思います。
この不器用だけど正義感の強い西嶋のキャラクター。僕は正直読んでて最初はあんまり好きじゃありませんでした。
みんなの周りにもいませんか?無駄に正義感強いけど、足を引っ張りまくっちゃう子。
西嶋はそういうタイプの人間です。
でも西嶋の場合そういう正義感とかに対して一切の妥協がなく、もう気持ちいぐらいにつき通していきます。
そんな西嶋に、物語を読んでいくうちに魅了されていきました。
またこの4人、名前に東西南北が入っていますがその意味はこの小説を読んでみるとわかるので是非読んでみてください。
まとめ
どうでしたか?
昨年は69冊の小説を読みましたが、正直合うもの合わないものいろいろありました。
でもやっぱり小説を読んで得られる感情っていうのはすごく好きなので、今年もたくさん読んでいきたいですね。
下に昨年度読んだ小説の一覧を貼り付けたので気になる方は是非チェックしてみてください!
2021/1/6