今回は2022/12/9に公開された、アレックス・ガーランド監督の最新作『MEN/同じ顔の男たち』を観たので、その感想を書いていこうと思います。
まずは一言言わせてください。
この映画に答えを、そしてスカッとするような結末を求めないこと。
ホラー映画として純粋にそのグロさを楽しむか、色々な暗示的な部分を見つけ出して、観終わった後に考察を深めるか。
こう言った楽しみ方が良いと個人的に思いました。
そもそもこの映画、人にすすめることができません。個人的には。
もちろん自分で予告を観たりして、興味を持った人には絶対に観て欲しいですけど、万人にラフに“是非、観てみな~”とは言えません。
内容が難しいですし、描写も多々グロいです。
純粋なホラーとしてみるにしては少しホラー要素が弱い気もします。
そのうえで正直、この映画は非常に評価がしにくい作品だと思いました。
簡単に面白かったとかつまらなかった、といった評価が下せません。
自分はもう少し分かりやすい、というか象徴的な作品かと思って観に行ったので、観終わった後に訳がわからず頭が混乱しました笑
観終わってから、ただひたすらにその不気味さと、なんと言うか気味の悪さが残る映画でした。
ストーリーに関しては、僕の理解力ではすごく表面的な部分しか理解することができませんでした。
そして、その表面的な部分だけを観れば、そこまで強く惹かれるようなストーリーでもないように思えます。
物語の主人公は、夫の死を目撃してしまった女性ハーパー。心の傷を癒すため、自然あふれる美しいイギリスの田舎街を訪れたハーパーだったが、そこで現れる男たちは全員、同じ顔をしていた。目の前に現れた男は突然姿を消し、木からは大量の林檎が落下、そして恐ろしい叫びと共に襲い来る何か……。不穏な出来事が連鎖し、正体の見えない恐怖を掻き立てられていく。
『ファッションプレス』の記事より引用(https://www.fashion-press.net/news/93061)
全員同じ顔というのは、もうタイトルにもあるので、ネタバレにはならないでしょう。僕自身もそういう前提で観に行きました。
この映画、暗示的な描写とか、明らかにメタファーのようなシーンはあるのですがなかなか理解できませんでした。
おそらく宗教的な部分や文化的な部分から人によっては何かを感じることができるのかもできません。
ただ僕も含め、多くの日本人は1度、通しで見ただけではそのストーリーに秘められた様々な暗示を理解するのは難しいのではと思います。
そしてこの映画、“同じ顔の男たち”という副題がついているので僕はてっきりどこかでみんなの顔が同じになるとか、同じ顔の人々が沢山登場してくるのかな?と思いながら観ていました。
実際にそうなのですが、僕は映画中に観ていてみんな同じ顔じゃん!とは思いませんでした。
(よくよく考えれば、似ていたとは思いますが……。)
またこの映画の予告シーンでは
“衝撃のラストを見逃すな!!”
と言った煽るようなフレーズが言われていたのでかなり期待していました。
最後には全てがわかるのかな?なんて思い最後を楽しみにしていました。
そしたら先ほども述べたように、思いもしない形でラストを迎えました。
確かに衝撃のラストではありました。
だいぶグロくて個人的には“進撃の巨人”を想起しました。
そしてそのラストの後に出てきた、ライリーという女性のおなかが膨らんでいるのを見たときは、なぜだか恐怖を感じました。
その理由は、映画を実際に見ればわかると思います。
とりあえず、改めて様々な考察サイト等を見ながらこの物語の背景なんかも知りたいです。
話は少し逸れますが、いままでみたアレックス・ガーランド監督の作品が2作ともSFだったので、今回もホラー映画という前置きは知っていましたが、その中でも難解なSFチックな作品なのかな思っていました。
・アレックスガーランド監督の長編SF映画、Annihilationの感想。
ですがこの作品、案外直線的というか、王道のホラーっぽいところが多く、ホラー以前に“コメディーか?”みたいなシーンもありました。
(もちろんそのコメディーかと思うようなシーンにも意味はありますが。)
そういった意味でガーランド作品の新しい一面の見れた気がしました。
とまあ、色々と『MEN/同じ顔をした男たち』について語ってみました。
正直みんなにすすめられるような映画ではなく、人によってはつまらなさ過ぎると感じるのでは?と思います。
しかし、観た後にじわじわと疑問や思いが沸き上がってくるこの映画。
気になった方は是非観てみてください!
2022/12/10