こんにちは、カイトです。
研究室選びは理系大学生&大学院生において非常に重要なイベントです。自分の将来の専門性を決めるとともに、その分野の最先端の研究を少なくとも1年以上はやっていくわけです。
私は現在、大学院1年生で研究室に所属しながら研究に邁進しています。そんな私ですが、実は大学院に進学するにあたって研究室を変更しました。
メモ
研究室が変わった経緯に関しては、詳しくはこちらの記事で書いています。併せて読んでみてください。
そこでこの記事では、学部時代と大学院になってからの2回も研究室を選んだ私が、現役理系大学院生が後悔しない研究室の選び方を3つのポイントに絞って紹介します。
3つのポイント
・教授との相性と研究室の雰囲気。
・コアタイムが有るかどうか。
・企業との合同研究をしているのか。
はじめに。~研究内容はそこまで大事ではない⁉~
最初に言っておきたいことがあります。
研究室のHPで調べたり実際に研究室に訪問に行って、『この研究テーマ、面白そう!!』という理由”だけ”で研究室を選んでしまうのはおすすめしません。
もちろん、自分の興味を持った内容で研究をすることは、モチベーションの観点からも非常に重要です。ただ忘れてはいけません。研究は皆で協力して行うものです。決して自分一人で行えるものではありません。
その研究をするうえで、指南する教授との相性が最悪だったらどうでしょうか? わからないことがあって教授に聞きたい…けれども怖くて聞けない…。研究室に苦手な先輩や同期が居たらどうですか? 研究室に行くのが嫌になるかもしれません。
仮にそういった状況になってもこの研究がしたいんだ!というテーマに出会った人は、その研究室に入るべきだと思います。たとえ辛いことがあっても、研究テーマに対する情熱でそういった逆境は簡単にはねのけられるはずです。
しかし研究室選びに悩んでいる多くの人たちは、これほど情熱を持ってやりたいと思えるテーマに出会えてはいないのでしょうか?逆説的に言えば、そういうテーマに既に出会えている人はこのようなサイトを見ながら研究室選びを考えていないはずです。
現に僕も、研究室を選ぶ際は魅力的なテーマに出会えたわけではありません。
実際にどの研究室に所属したとしても、真面目に研究に取り組めば何かしら面白い部分ややりがいも見えてきます。だからこそ、直感的に『面白そう!』と感じただけで研究室を選ぶのはおすすめできません。
『何となく面白そう!』という直感だけに頼らずに、以下の3つのポイントも踏まえたうえで総合的に良いと思える研究室を選びましょう!
ポイント
直感的に『面白そう!』という理由で研究室を選ぶのはおすすめできない!
教授との相性と研究室の雰囲気。
研究内容以上に一番重要なのは、教授との相性と研究室の雰囲気だと個人的には思っています。
大学生になるとホームルームはなくなり、皆自由に好きなコミュニティーに属しながら、気ままに授業を受けたり遊んだりと、学生生活を過ごしていると思います。研究室に所属すると、これが高校生までのホームルームに近い存在になります。大学の大半をその研究室の中で過ごし、研究室のメンバーと授業を受けたり、レポートや試験の勉強も研究室の同期と協力しながら、先輩の過去レポート等を頼りにこなしていくことになります。
研究室の同期は『友達』と言うよりももはや一緒に課題をこなす『同僚』のような感覚です。いやな言い方をすると、互いを利害関係で結ぶような関係です。
また、研究は基本的に先輩についてやり方を学びながら行っていきます。それでもわからない部分があれば、教授に聞きます。この際に、話しかけにくい教授や先輩に囲まれていたらどうでしょうか?
メモ
僕が学部時代にお世話になった先生は、非常に親切で何でも教えてくれましたが、初めの方はわからない部分を聞きに行くのが少し怖かったです。特に基本的な部分は、聞きにいくと『なんだ、お前こんなこともわからないのか。』と言われるのが怖くて聞けませんでした。しかしある時思い切って非常に基本的な部分を質問しに行くと、とても親切に教えてくださいました。それからは、わからないことがあれば、教授にも積極的に聞きにいけるようになりました。
一方僕が現在お世話になっている教授は全く逆でした。年齢も比較的若く、すぐにフランクに話しかけてくる今の教授は、何かあればすぐに聞きに行ける雰囲気があります。ただ、僕の頭が弱く、理解が悪いせいで、たまに『えーそこわかってなかったの?』みたいな雰囲気を感じます。そのせいで、質問しに行って『わかった?』と聞かれて100%理解できていなくても、『わかりました』と思わず言ってしまいます。
このように教授と一口に言っても様々なタイプがいます。研究室に配属する前には必ず教授とコンタクトを取り、相性を確認しておくことが重要になってきます。
教授との相性と同じくらい、研究室の雰囲気も大事です。先ほど述べた通り、大学院生活においてはほとんどすべての時間を研究室で研究室の仲間と過ごします。 そのメンバーの中に馬の合わない子がいたらどうでしょうか?もちろん生活は出来ますが、同じ研究室にいる以上避けることはできないですし、ストレスが溜まることは容易に想像できます。
男女比も大事です。工学系の研究室はどうしても男ばかりになりがちですが、全員男の研究室だとどうしても男子校みたいなノリや会話が増えます。
メモ
自分の話をすると、学部時代の研究室はどちらかと言うと居心地は良くなかったです。同期は4人いましたが、皆趣味が全くバラバラでプライベートの話は全く合いませんでした…。研究室も男子しかおらず、会話も下ネタ、パチンコやタバコの話などが多めで、そこらへんに興味のない僕はあまり居心地は良くなかったです。
一方で今の研究室は比較的過ごしやすいです。合同研究室ということもあって人数も多いため、話が合う子もいます。女子もいるので、話も様々話せます。
研究室一つとっても、雰囲気は全然違うんだなあと感じました。
ポイント①
・教授との相性は良いか?学生思いで話しやすい先生か否か?
・研究室の雰囲気はどうか?自分が打ち解けられそうか?男女比はどうか?
コアタイムが有るかどうか。
コアタイムの有無も研究室選びの際の重要なポイントです。
コアタイムとは
研究室に必ずいなければいけない時間帯のこと。
研究室によっては、このコアタイムが存在するところがあります。(例.毎日10時~16時)
こういうコアタイムが有る研究室は、比較的研究室全体の仲がよくイベント事も頻繁に行っているイメージです。
ゼミ旅行やソフトボール大会などのイベントを毎年実施していて、例年M1が計画している…と言った研究室もあるそうです。みんなでワイワイ過ごしたいという人は、コアタイムが有る研究室に行くのもありだと思います。また、コアタイムがないとだらけてしまい大学へ行く習慣が無くなりそうだという理由で、コアタイムのある研究室へ希望して配属された同期もいます。
ただ、コアタイムのある研究室だと、時間の融通が利かないというデメリットもあります。旅行はもちろんですが、研究室によっては就活でインターンシップや企業説明会に参加できない可能性もあります。
メモ
実際に、就活に対する理解が全くない教授も一定数います。こういう研究室に配属されると、インターンやオンライン説明会に行きたくても、ゼミやコアタイムを欠席できないというパターンもあるそうです。
僕はやることをサクッと終わらせて、家でやることをやりたいタイプだったので、コアタイムの無い研究室を希望していました。実際に僕は現在、コアタイムのない研究室に所属していますが、非常にのびのびとやらせてもらっています。教授も就活の理解もあるので、実験も強要はされないですし、僕自身も毎月の報告会に向けて、週に1-2回のペースで実験を進めています。
コアタイムの有無に関しては、自分の特性に合わせて選んでください。
ポイント②
・コアタイムはあるのか?
●コアタイムが有る研究室→だらけにくい。研究室の皆との仲が深まる。 ただし、時間の融通が利かず、就活ができない場合もある。
●コアタイムがない研究室→自分でスケジュールを管理して生活できる。 ただし、完全放置の研究室も多く、大学へ行かなくなって気が付いたら卒業できなくなるという場合もある。
企業との合同研究をしているか?
これも重要です。企業と合同研究をしているか否かは、忙しさに直結します。
企業との合同研究があると目に見えた成果が求められるため、忙しいです。
実際に僕が今行っているプロジェクトは企業と合同で行っていますが、毎月成果報告会があり、なかなか忙しいです。
とは言っても、研究室によっては複数のプロジェクトを同時に行っているところが多く、同じ研究室内でも企業との合同研究をしている人もいれば、そうでない人もいます。
メモ
実際僕の研究室には10人ほど配属されていますが、企業との合同研究をしているのは僕ともう一人の2人だけです。
もちろん、企業との合同研究はメリットもあります。
身近に社会人として日々研究する人がいるのは刺激になりますし、様々と教示してもらえるので勉強になります。また、研究内容が気に入ってこのままこのテーマで研究をしたい!となれば、合同研究先へ就職するのも容易でしょう。
その点も含めて、企業と合同研究をしているのかも確認しておきましょう。
ポイント
・企業との合同研究をしているのか?
まとめ。~研究室選びは今後の自分に大きな影響を与える~
ということで、研究室選びをする際に注意するべき点について書いていきました。
まとめ
・なんとなく『研究内容が面白そう!』という理由だけで、研究室を選ぶのはおススメできない。
ポイントは以下の三点です。
①教授との相性と研究室の雰囲気は自分に合っているのか。
②コアタイムはあるのかどうか。
③企業と合同研究をしているのか。
最後にはなりますが、研究室見学はめんどくさがらずに必ず行きましょう。ここで挙げた3つのポイントは実際に研究室見学に行ってみないとわかりません。自分の足で研究室に赴き、教授と話して研究室の雰囲気を感じて、自分に合っているかどうかを確認しましょう。
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研究室は今後の自分の人生を決める選択ともいえます。特に多くの理系大学生はここで決めた自分の専門性を武器に就活をして、少なからず自分の専門に関連した仕事に就くことになります。
僕自身、研究室を選ぶ際にはめちゃくちゃ悩みましたし、少し病みました。
後悔のないように、しっかりと悩んで選んで、ここで挙げたポイントも参考にしながら自分に合った研究室を選んでください!