こんにちは、カイトです。
今回は、枡野俊明さんの書かれた、『心配事の9割は起こらない』という本について紹介したいと思います。
この本は、曹洞宗徳雄山建功寺住職でありながら、大学教授、庭園デザイナーとしても活躍している著者が禅の教えに基づいた考え方を伝授してくれます。
今回は本書の中で特に感銘の受けた考え方を紹介していきたいと思います。
「いま」に集中する
禅には一息に生きるという言葉があります。
禅には、「一息に生きる」という言葉があります。
文字どおり、ひと呼吸するその瞬間、瞬間を一生懸命に、丁寧に生きなさい、ということです。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp18
この言葉って当たり前のようでなかなか重いですよね。
みんな多少は過去を引きずったり、未来を考えたり生きていると思います。
それこそ良い大学に行こう!とか良い企業に勤めよう!と思って勉強しているのはまさしく未来を考えて生きている証だと思いますし…。
もちろんこういう思いを持つことはとても大切ですが、未来も過去も今の積み重ねでできていくものです。
思い描いた未来を実現するには今一生懸命頑張るしか方法はありませんし、情けない過去はその当時に、頑張ることを怠った結果生まれた産物だと思います。
なので、将来の青写真を描いてたり、過去を後悔するくらいなら、今一生懸命生きてみましょう。
(これはこの文章を書いている自分自身にも言い聞かせています…!笑)
その上で枡野さんは、過去を引きずらないためにも以下のような提案をしています。
あなたには、「心のよりどころ」がありますか?…
…ご先祖様の写真やゆかりのお寺や神社のお札でもいいのです。部屋のどこかにそれを置いて合掌する場所にする。心が重たくなったら、閉塞感を感じたら、その前で静かに手を合わせ、溜まっている思いの丈を吐き出す。そうすることで、必ず心が前向きに整っていくのを感じるはずです。
生活空間に、ほんのわずかなスペースでもいいですから、そんな場所があると、心の在り様は一変します。いつまでも辛い思いを引きずったり、悩みを抱えたままでいたりする、ということがなくなるのです。
「心のよりどころ」とはそういう場所をいうのです。ぜひ、つくってみてください。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp22₋26
確かに僕もお寺に行って賽銭を投げて合掌しているときはなんだか心が落ち着く気がします。何なら単にお寺に行くだけでも、雑念が消えて心が浄化される気がします。おそらく僕たち日本人の意識の中には、お寺は身を清めてくれる場所だという認識があるんだと思います。
だから僕自身も本当に思い悩んで辛い時は意識的に歩いて近所のお寺まで行って合掌をするようにしています。
みなさんも何か悩んでいるときは近所のお寺に行ってみてはどうでしょうか。
「いい加減」を心得る
いい加減と聞くと、
「お前はいい加減だ!」というように中途半端だとか手抜きだとかマイナスの意味で用いられることもあれば、
「ちょうどいい湯加減」というように程よいだとか適度だとか言うようにプラスの意味で用いられることだってあります。
このように、いい意味にも、悪い意味にも、とられる言葉ですが、私は「いい加減」を肯定的に考えています。
たとえば、仕事をするうえで自分の「力量」を知っておくというのはきわめて大切です。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp46
基本的に僕たち人間は努力することである程度は限界を超えることは可能ですが、どうしても遺伝子レベルで越えられない壁があることもまた確かです。
そのうえで、自分の力量を見極めることは大切です。
そして自分の力量以上のタスクがこなせないことに対して、悲観していても仕方ありません。
それが単なる努力不足なのか、現実的に力量が足りていないのかをちゃんと判断し、適切な対応をできるようにしましょう。
「できない自分」に、いたずらにぶつからないようにする。そうすれば、いたずらに心を掻き乱されたり、自信を失ったりすることがなく、いつも安定した心でいられるのです。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp47
でもあるタスクに対して、「これは能力的にできるのか」というのはみきわめるのは難しいと思います。
なぜなら、その時点での、自分の「力量」と、能力の「限界値」は違うからです。
いま持っている力量だけではむずかしいかもしれませんが、挑戦心をもって必死に努力すればカバーできる。「限界値」はそんなところにあるのだ、と思います。…
…しかし「10」の力量で、「12」の能力を必要とすることにチャレンジするならなんとかなる範囲、あえて、「いい加減」を超えるところに足を踏み入れてみる価値は十分にある、と、私はそう思うのですが、いかがでしょうか。…
…「いい加減」を知ることは大事です。
しかし、その先の「限界値」を見据えておくことも、同じように大切です。
そのことをしっかり胸に刻んでおいてください。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp49
自分の「ものさし」で生きる
みなさんは「世間の常識」というものに縛られて生きていませんか?
世間の常識というのは守って当たり前ですよね。
それこそ「赤信号は止まれ」っていう常識だってみんなが守っているからみんなが安全に生活できるわけで、守らなければ社会は大混乱に陥ります。
でも常識にとらわれすぎて自分らしさが失うなんてことはありませんか?
それこそ自分が「○○だ!」と思っても、客観的に、常識的に考えて「やっぱ違うかも」っていうふうに萎縮しちゃうということはよくあると思います。
枡野さんはこんな時に自分の「ものさし」を持つことが大切だといいます。
常識から自由になって、でも道を誤らないで生きるには、自分の「ものさし」を持つことが必要です。根底には常識というものを感じながら、時にそれにこだわらないで自分独自の判断をする指針、ものごとを自分流に解釈するよりどころ。「ものさし」はそういうものだと思います。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp70
でもどうすればこういう自分のものさしを獲得することができるのでしょうか。
これはもう、みずから実践していく、経験を積んでいく以外に方法はありません。…
…考えるより動くことが大事なのです。…
…頭に知識をどれほど詰め込んでも、いざ、常識にこだわるか、こだわらないか、を問われる場面に遭遇したら、手も足も出ないのです。
実践する中で経験を積み重ねて、体でわかる、つまり、「体感」することで、自分にとって正しい判断ができて、もちろん、行動もついてくるのです。知識だけでは「ものさし」を持つことはできないのです。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp70-71
自分の中にものさしを持つことが大切なんです。
他人と比較して優越感に浸っていたり、悲観していても仕方がありません。
他人とは持っているものも、生まれ育った環境も異なります。
自分のものさしでもって、自分を評価できるようにしましょう。
そのうえで、枡野さんはむしろ余計なことを調べるのはやめようと言っています。
というのも、有り余る情報が我々の判断力を弱めているというのです。
たとえばあなたはある商品を買おうと思います。
その時に情報収集のためにネットでその商品について色々な情報を得るとします。
そうして様々な情報に触れていると判断に迷ってしまい、しまいには自分の判断に自信が持てなくなっていしまします。
みなさんはこんな経験をしたことはありませんか?
どんなにたくさん情報を集めたって、“したいこと”も“生き方”も見つけることはできません。やはり、自分の心の中に見つけるしかない。…
…その意味では、情報は“迷い”のもとになります。情報がありすぎるからかえって、心をどこに置いたらいいのかわからなくなるのです。…
…もちろん、選択肢が多いことは可能性を広げる、という面からも大切です。ただし、選択肢は絞り込むことが重要。「心の置きどころ」を定めるということに力点を置いて、そのために必要と思われる情報だけを集め、選択肢を広げる、というふうに考えたらどうでしょう。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp76-77
僕はどちらかと言えば、「情報は集められるだけあればいい!」っていうスタンスですが、確かに情報が多いとその分判断が鈍ってしまうっていうのもまた事実だと思います。
「競争」から一歩離れよう
みなさんは生き抜くために厳しい競争社会に生きていると思います。
そんな中相手をけなしたり、相手に嫉妬したりすることもあると思います。
相手の良いところを素直に褒められない、なんて言う人もいるのではないでしょうか。
本書には文豪ゲーテのこんな引用があります。
ドイツの文豪ゲーテにこんな言葉があります。
「なぜ、このように悪口が絶えないのか。人々は他人のちょっとした功績でも認めると、自分の品格が下がると思っている」
耳が痛いという人は少なくないはずです。なぜか人を褒めると自分が一段下に下がったような気になったりするのです。…
…妙なプライドやこだわりは、さっさと捨ててしまいましょうよ。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp110-111
また競争社会に身を置いていると、どうしても逃げたくなる場面なんかも出てくると思います。
そんなときに簡単に逃げないようにしましょう。
特に失敗した時なんかは特に失敗を隠して逃げがちです。
…日本航空に乗り込み、再建に取り組んだ稲盛和夫さんは、禅宗の得度も受けている人ですが、こんなことを言っています。「世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめたときが失敗である。」
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp127
まさしくその通りですよね。失敗っていうのは何もアクションをしなければ起きませんが、逆に何もアクションをしなければ失敗はもちろん、成功だってやってきませんからね。僕自身もこれからの人生、失敗を恐れずに果敢にチャレンジしていきたいなと思います。
聞き上手になる
みなさんの周りには聞き上手の人はいますか?
僕は聞き上手の友人が何人もいて、本当に恵まれていると思います。
聞き役として心得ておきたいのは、話の腰を折ったり、話の流れを止めたりしない配慮をしたうえで、相手のいっていることを確認したり、こちらの感想を交えたり、共感したり、という対応です。
引用元:「心配事の9割は起こらない」pp184
あくまで聞き役に徹するっていうのが肝心です。たまに、逐一自分の意見を突っ込んでくる人はいますが、場合によっては相手を不快にしかねないと僕は思います。本当に心の底から悩んでいる人って、とにかく自分の悩みや愚痴をとにかく聞いて共感してほしいと思うものです。そこで「それは○○だよね」とか突っ込まれては話し手の気分が悪くなる場合だってあります。だから僕は悩みに対して逐一アドバイスしてくる人なんかより、「そうだよね、僕もそう思うよ」とかうまく共感してあげられる人の方が真の聞き上手だと僕は思っています。
というか、そもそも相手の考えに対してその場で的確に指摘するのってめっちゃ難易度高いと思います。そもそも、あれこれ悩んだ末に愚痴っているのであって、その愚痴を聞いてその時に思ったことを「これはこうでしょ」って指摘したところで、そんなことは本人もすでに考え済みのことでしょうし…
だから相手に「確かにそうかも…!」って思わせる、新鮮な意見をすぐに提示するのはむずいと思います。
まとめ
ということで今回は『心配事の9割は起こらない』について特に共感した部分について紹介してみました。
ここで紹介した部分以外にも、ためになる部分はたくさんあったので、気になった方は是非チェックしてみてください!
2020/9/21