こんにちは、カイトです。
今回は、25周年記念で劇場公開している、映画『タイタニック』を観てきたので、その感想を書いていこうと思います。
2023/2/10-2/23までの2週間限定公開でした。
圧倒的な没入感。心に残るそのストーリーと爪痕。
結論。圧巻のスケールで最高の映画体験でした。
映画の価値はその上映を観ている、その瞬間の感情だけではないと個人的に思います。
映画を観終わった後、どれほど心にそのストーリー、感情がこびり付いているのか。
こういう側面も考えたら、映画の良し悪しはとてもじゃないですが簡単に表せません。
そういった意味で、この映画『タイタニック』のすごさはその余韻の大きさにあると僕は感じました。
上映終了から時間が経てばたつほど、あれやこれやと思いが巡る。名もなき、簡単には言い表せない感情がこみあげてくる。
今までタイタニックを観たことがなく何の前情報なしに臨んだ『タイタニック』のストーリーは、正直に言ってしまえばありきたりでとても新鮮!というわけではありませんでした。
なのにストーリーは頭にこびりついて離れないし、心にぽっかりと穴があいたような心地が残っています。
この感情の正体は何だろう。
まずは上映直後の感情を振り返っていきます。
3時間弱の上映が終わった直後。
脱力感がとにかくすごかったです。現実に行き戻されたような感じ。
エンドロールが終わり、幕が閉じてから立ち上がろうとするも、全身に痺れが回り、すぐには立ち上がることが出来ませんでした。
それくらいにはのめりこんでしまうようなくらいに壮大なスケールで描かれた作品でした。
『タイタニック』に出てくるメインキャラクターは2人です。
高貴な貴族の娘のローズと、田舎育ちの貧しいジャック。
この2人の恋模様と、タイタニック号の沈没がこの作品の大きな目玉でした。
まずはシンプルに、タイタニック号の沈没という事実について、どういう経緯で沈没していったのだろうかということをリアルを感じることが出来ました。
一切の前情報なしで、超大型豪華客船がどうやって沈没するのかを想像することが出来ますか?
いきなり“ドボッ”と言って真ん中から沈んでいくわけではありません。
氷山との衝突で生じた亀裂から徐々に船内に水が浸入していき、その水の重さでさらに船は海へ吸い込まれていきます。
反対に沈没していかない側は水面から押し上げられるように宙に浮き、船体全体が傾いていきます。
そのような物理法則に素直に従って船が沈んでいく様は観ていてハラハラドキドキで何度も鳥肌が立ちましたし、没入感がとんでもなかったです。
そんな中で慌てふためきながら、我先にと救命ボートへ駆け寄る人々の姿と人間の生に対する執着。
あるいはもはや達観したように沈没船と運命を共にしようとする人たち。
こういった人々の動きはとてもリアルに感じました。
もちろんひとりひとりにフォーカスをしているわけではなく、沈むタイタニックと何とか生き延びようとするローズとジャック“背景”としてですが、非常に見ごたえがあるシーンが多かったです。
一方でこの映画のもう一つのテーマである、恋愛要素に関しては個人的にはそこまで響かなかったと観ているときは感じました。
両サイドに座る、見知らぬ若い女性たちが何度も涙をぬぐう横で少し冷めきってさえいました。
スリル満点の能筋なアクション映画は大好きなのですが、純愛すぎて能筋な恋愛映画に対しては少し苦手意識があります。
観ていても“なんでそんなことするの!”と突っ込みたくなりますし、こんな生死にかかわるような状況で、愛に向いたベクトルの行動を繰り返すローズに対しては、一周回ってリアルを感じずに作り物感さえ感じてしまいました。
そういう行動に関して純粋に感動を得られない当たり、自分は本当にひねくれているなと観ている途中に自分自身に辟易さえしてしまいました。
しかし2日酔いしてしまいそうなくらいに濃すぎるこの純愛さが、僕をこの後ずっと引きずりまくりました。
上映後にアルバイトをしていたのですが、勤務中にこの映画の最後のクライマックスのシーンと、セリーヌディオンの“My Heart will go on”が永遠に流れ続けていました。
くどすぎるはずだった純愛が時間と共にいい塩梅に希釈されて、じわじわと僕を刺激してきました。
アルバイト中は色々と考えてしまい、なんだかこみあげてくるものがあったり。
個人的には上映中以上に、観終わってから大きなインパクトを残した作品だと感じました。
2023/2/22