
こんにちは、カイトです。
今回は、くどうれいんさんの書かれた、『うたうおばけ』という本について紹介をしていこうと思います。
僕はこの本をたまたま日経で紹介されているのを見て、知りました。
その紹介の記事を見ていたら面白そうだなと感じ、今までろくにエッセイを読んだことがありませんでしたが、ここは試しに読んでみるかということで、アマゾンで購入しました。

この本は、れいんさんの日常を描いた、39編からなる、エッセイ本です。
そうです、普通に日常を描いただけです。
僕がこの本を読んでまず思ったのは、
れいんさんは感情を表現するのが上手いな
というものでした。
もちろんれいんさんの独特な世界観も素晴らしいですが、それ以上に自分の感情や思ったことをこんなにも正確に表現できていることに驚きました。
僕自身も最近ブログを始めて、本格的に文章を書くことが多くなったのでよくわかるのですが、
自分の感情や思いを言葉にするのって、思っていた以上に難しいです。
自分の頭に浮かんでいることを100%自分の思い通りの文章にするのがどれほど難しいことか…
なにより、頭の中には言いたいことがあるので、うまく言葉にできないときはとてももどかしいです。
そんな僕をあざ笑うかのように、素敵な表現の数々が、この本の中には出てきます。
「友達」は多くないけれど「ともだち」は多いな、わたしは。(なーにが友達だよ)
引用元:「うたうおばけ」pp11
この平仮名と漢字の使い分けは何だろう…。
この違い、わかるような気はするが、具体的に説明しようと思うとうまく言葉にできない。
そういう絶妙にうまい表現だなあと思います。
つくづくわたしの人生は、行ったり来たり交差をしたりしながらも、どの線を選んでも当たりのあみだくじだと思う。
引用元:「うたうおばけ」pp64
このセリフはなんかグッと心にかました。なぜなら同じようなことを僕自身も感じていたからです。(もちろんそのことについてこんなにもきれいに言語化なんてできていませんでしたが)
具体的に言うと受験のことです。
僕は第一志望の大学に2回落ちました。
現役で落ちてすぐの時期(3月上旬くらい)は、悔しさと不安で毎日辛い日々を過ごしていました。けれどもその後の浪人時代は勉強面ではもちろんですが人間的にもだいぶ成長することができて(少なくとも自分ではそう感じている)、浪人期の終盤なんかは「自分は本当に浪人をしておいてよかった。このまま現役で大学に受かってたら、何の苦労も知らない浅い人間になっていたんじゃないのか…」なんてことを本気で考えていたくらいです笑
まあ結局浪人しても第一志望の大学に落ちちゃうんですけどね…
でも今も、こうやってブログを始めたり、大学やバイト先でとてもいい人たちに巡り合えたりとそれなりに満足した生活を送れていて、第一志望に落ちた負け惜しみとかじゃなくて普通に、「自分が第一志望に受かっていたらこういう人生が送れてないんだなって思うと落ちてよかったな」なんて思う瞬間だってあります。(もちろん、不意に第一志望に落ちたことへのくやしさだって訪れます!笑)
そういう意味で、全て当たりのあみだくじのようだっていう表現は僕自身も本当によくわかるし、素敵な表現だなと思いました。
電車は速かった。自分が東京に来たという実感もこれから本当にふられるんだという実感も追いついてこなかった。
引用元:「うたうおばけ」pp83
電車と自分の実感(感情)の対比がされています。サラッとこんな表現ができるのはさすがとしか言いようがありません。
あと、れいんさん独特の筆致や世界観も面白かったです。
げ、と思ったので、げ、と言った。
引用元:「うたうおばけ」pp6
冒頭からこんな表現が出てきて、「えーこんなのありかよ!」って思いました。
ふつうこういうときって、
・「思わず、やばいなと思った」とか
・「どうしようと思った」
とかって表現すると思います。
まあ100歩譲って、「げ、と思った」はわかるとして、「げ、と言った」っていうところが他にない、斬新な表現で新鮮でした。
なぜなのかわからないが、これまでわたしはメッセージのやり取りで(笑)を使う人に六回キれて、四人の友人(になったかもわからない人)を失っている。
引用元:「うたうおばけ」pp158
これはなかなかですよね。
れいんさん曰く、(笑)を使う人とは仲良くなれないらしいです。
まず(笑)っていうのに注目するのがいいですよね~。ぼくは(笑)はよく文面をやわらげるつもりでよく使います。なんか笑うってよりは微笑む的なイメージで使っています。
そう考えてみると、最近よく(笑)みたいな感じで文末に爆笑って送ってくる人がいるんですが、僕はこれがなんかめっちゃ嫌です。
絶対お前、爆笑してないだろ!真顔で爆笑って打ってるだろ!
って突っ込みたくなっちゃいます。
ちなみに僕が特にこの中でも気に入ったエッセイは、
- 喜怒哀楽寒海老帆立
- わたしvs(笑)
- バナナとビニニ
- まみちゃん
- 1千万円分の不幸
ですかね~
正直ほとんど気に入っているので、挙げだすときりがありません。
そのくらい良かったエッセイです。
エッセイを読んだことがある人にもない人にも自信を持ってすすめられる一冊なので、興味を持った方は是非チェックしてみてください!
2020/8/13