映画

【B級感満載!】Everything Everywhere All At Onceを観てきた!【エブエブ】

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト

こんにちは、カイトです。

今回の記事では、アカデミー賞で7冠を獲得した今注目の話題作『Everything Everywhere All At Once』(エブエブ)を観てきたので、その感想を書いていきます!

全てがクレイジー。でも一本の作品としてまとまっているという奇跡。

この作品のストーリーをめちゃくちゃ簡潔に要約すると、コインランドリーで働いている、平凡な女性(エヴリン)が世界を救うために戦う。というもの。

ジャンルとしては最近流行のマルチバースもので、自分が住むのとは別の世界線に住む自分の能力を取り込んでその力を使って戦う、というスタイルです。

説明が難しいですが、自分がカンフー女優だった世界線、自分が歌手だった世界線などの自分の能力をトーレスしていくわけです。

そしてその能力を引き出す条件が、“変なことをすること”。

靴を左右逆に履いたり、リップクリームを食べたり、お漏らしをしたり、……。

とにかく変なことをすることで生じるエネルギーがマルチバースにひずみを生じさせ、異世界に住む自分の力を引き出すことに。

だからこの映画のモーションの多くが、コメディーです。

アカデミー賞最多ノミネートの大本命! (奇っ)怪作『エブエブ』からハリウッドの今を知る | Vogue Japan
開眼した、主人公エブリンです。

ここまで読んでいてもわかると思いますが、この映画はとにかくカオスでクレイジーです。

とにかくしょうもないことをしなきゃいけない、ということから起こす登場人物の行動の一つ一つが奇抜で、演出もチープさが目立ちます。

特にそれぞれの行動時のエフェクトやら描写は本当にB級映画のようです。

ただ飽きずに最後まで観れたのは、このめちゃくちゃカオスな映画の背景には一貫した、家族の愛情、親子の信頼関係といったテーマが隠されているからだと思います。

このふざけたような演出とストーリーに、こういった一貫したメッセージ性を吹き込んだ部分がこの映画の一番すごい部分だと感じます。

このエヴリンは娘思いの母親なのですが、その愛情が強い分、娘のジョイには常にきつい言葉でなじったり厳しく接してしまいます。

エブエブ』悪役ジョイの衣装七変化が可愛すぎる!【独占】 - フロントロウ | 楽しく世界が広がるメディア
娘のジョイ。

そしてどの世界線でもエヴリンはジョイのあたりが強くその言葉と態度があらゆる世界線でジョイを苦しめ、膨大な悪であるジョブ・トゥパキを生み出すきっかけになってしまいます。

この映画でのゴールは巨大な悪、ジョブ・トゥパキをどうにかすること。

これ以上書き過ぎるとネタバレになるので書きませんが、ここで取るエヴリンの行動と、そこに描かれる、エブリンとジョイの親子の愛情関係が案外感動します。

ここで重要なのが、“案外”というところ。
前述の通り、ベースがコメディーなので、ここで簡単に涙腺崩壊とはならないのですが、思った以上に終盤にかけてストーリーがまとまってきて感動のシーンなんかがあるのは驚きでした。

何も取り柄がない主人公。そこに少し重ねてしまう自分。

この主人公がいる世界線は、人生の選択のタイミングでいつも外れの方をひいてしまった世界線です。

人生のあらゆる選択の場面で世界は分裂し、その選択の場面の数だけ世界は膨張する。

夫と駆け落ちし、コインランドリー店をオープンし、娘には(悪気はないとはいえ)心無い言葉を浴びせてしまい、……。

そのネガティブな世界線を生きる主人公には少し同情してしまう反面、自分の不遇な側面なんかと照らし合わせると少し共感さえしてしまします。

だからこそ、別の世界線に住む自分の、華やかな姿に憧れちゃう主人公なんかは、観ていて気持ちがすごくわかります。

自分は何も持っておらず、その自分が持っていないものを持っている別世界の自分。

『君は何も成功してないし、何の取り柄もない。だからこそマルチバースに住む君田との可能性は無限大なんだ。』

このようなセリフを夫に言われたときは観ているこちらも、なるほど……と思わずうなりましたが、エヴリンの気持ちになると、なんだか逃げだしたくさえなりました。

最後に。

ここまでいろいろ書いてきましたが、正直この作品、めちゃくちゃ好みが分かれる作品だな。と感じました。

まず第一にこのチープさ、というよりB級感。

そういうものだと受け入れてしまえば面白いものですが、これが人によっては難しいと思います。

特に王道のストーリーが多い、洋画を日頃からよく見ている人からしたら、ストーリーに入りきれないと思います。

自分の序盤はだいぶ、ストーリーに入り込めませんでした。

特に今作は、アカデミー賞を受賞するほどの作品。

過去の受賞作と比較してもだいぶ傾向が違うので、アカデミー賞関連で観たよという人は、観ていてかなり驚くのではないのかなと思います。

実際にレビューを見ても、

  • 近年のアジア作品の流行に沿った選出だ。
  • 受賞に際して中国資本が流入してるのでは?

といったレビューも散見されました。

確かに個人的にはアカデミー賞で7冠まで取ってそこまで話題になる作品か?とは思う節もありますが、ハマれば十分面白いですし、何よりこれほどカオスな作品をまとめ上げ、メッセージ性まで込められている点は本当にすごいと思いました。

まとめ

ということでEverything Everywhere All At Once(エブエブ)の感想を書いていきました。

まとめると

  • 観る人を選ぶ。
  • B級感満載の設定とストーリー。
  • 途中からカオスなストーリーがだんだんとまとまっていく様は圧巻。

といった感じでしょうか。

気になる人は是非映画館で観てみてください!

-映画